鋼鉄のガールフレンド 2nd について

新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド 2nd

こちらは 2nd のレビューです。鋼鉄のガールフレンド 1st の攻略はこちらを御覧下さい。

2nd の攻略も作ろうかと思ったのですが、魔王の子供達NX様に完璧な攻略チャートが既にありますので、CG100% を狙っている方はそちらを見ていただくと良いと思います。

それから、鋼鉄シリーズ、シンジ育成の各ゲーム及び漫画の関係をまとめてありますので、よろしかったら御覧下さい。

学園エヴァ

本作はアニメシリーズ25話のシンジの妄想から生まれたいわゆる学園エヴァです。シンジはゲンドウ、ユイとともに家族で仲良く暮らしていて、幼なじみで世話焼きのアスカが毎朝シンジを起こしに来ます。綾波は元気で明るい転校生です。ミサトは担任の先生、リツコは校医です。鋼鉄のガールフレンドの名を冠しているものの、前作とは基本的に無関係であり、1st のヒロインだった霧島マナは登場しません。（余談ですが、この事実は、当時「鋼鉄のガールフレンド」というブランドがかなりの訴求力を保持していた、つまり 1st が好評だった証拠だと思います。後に林 ふみのさんが同じく学園エヴァを描いた漫画にも「鋼鉄のガールフレンド2nd」というタイトルが与えられたことからもそれが分かります。尚、学園エヴァの漫画と言えば、高橋 脩さんの『碇シンジ育成計画』の方が有名かも知れません。こちらもゲームから派生した漫画ですが、最近になって霧島マナも登場し、マナリアンとしては目が離せません）。

リナレイ

このゲームに登場する綾波レイは、林原めぐみさんがかつて演じていたリナ=インバース（『スレイヤーズ』）に似ていることから、ファンの間ではリナレイと呼ばれています。実はこのリナレイが登場するのは本作のみ（碇シンジ育成計画のレイはリナレイではありません）です。アニメ25話でおなじみの、食パンをくわえて「ちこく、ちこく〜」のシーンの、アニメとはちょっと異なる林原さんの演技は、一見の価値があります。

ゲーム内容

1st と似通った外観のコマンド選択式アドベンチャーなのですが、必ずしも一本道でない点が前作と異なります。とはいえ、ほとんどの場合コマンド選択に悩むことはありません。と、言いますのも、「あ、これを選択するとアスカの好感度が上がるな」とか、「これを選ぶと綾波ルートに乗るな」という風に、容易に結果が推測できる選択肢ばかりだからです。ちなみに、恋愛SLGとして見た場合、プレイヤーはシンジ、恋愛対象はもちろん綾波、アスカ、カヲルの3人です。ただし、カヲルルートにはエンディングが無く、最後は綾波エンドかアスカエンドに吸収されてしまいます。この点、一部の女性プレイヤーにはちょっと不満かも。

面白いのが、ときどき唐突に訪れるバッドエンドです。特に、ゲンドウに話しかけるとなぜか必ずバッドエンドになってしまうのがツボでした。ただ、私は笑えたのですが、かなりシュールというかナンセンスなので、中にはふざけるな！　と怒りだしてしまう人もいるようです。全般的に、1st のようなシリアスな感じはなく、ギャグが多いです。それもかなりしょーもないギャグです。

夢の終わり、現実の始まり

このゲームは一般には「ファンサービス作品」、「キャラの魅力に乗っかっただけの作品」といった散々な評価をされていますが、全く別の見方も可能だと思います。確かに、一見すると何の悩みもない明るい世界で暮らすシンジ、アスカ、綾波（とカヲル）のラブコメです。が、よく見ると随所に「これは夢だ」というメッセージが置かれているのですね。パラレルワールドではなくて夢なのです。

夢から覚めたとき、シンジの目の前にいったいどのような現実があるのか、「夢」が脳天気で都合の良いものであればあるほど、恐怖心をかき立てるのです。少なくとも私はじわっと鬱になりました。

もっとも、このように深読みするかはプレイヤー次第で、普通にラブコメを楽しむのももちろんアリです。と言うか、その方が王道でしょうか。アスカと一緒にお風呂に入ったり、リナレイのお茶目な様子を眺めたり、カヲル君に迫られたり。終わらない夢を見続けるのもまた良しかも知れません。

それがあなたの望む世界ならば……。

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