-第二部-
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大変なことになった。アラエルという使徒の攻撃によってアスカが大怪我をしたらしい。 (本当は機密なのだそうだけど、ミサトさんが教えてくれた) とにかく行かなくちゃ。 私は取る物も取りあえずアスカが収容されているというネルフ本部内の病室へと向かった。 「アスカ……?」 怪我というよりも心の病? 見る影もなくやつれ衰えた姿にショックを受ける。 あの明るく、勝ち気で、そして嫉妬するくらい綺麗だったアスカが。 一瞬、これでシンジが自分のものになるのではと思ってしまった自分が憎い。そして怖い。 涙が止まらない。 「アスカ! アスカっ! しっかりして!」 彼女の肩をつかんで揺さぶる。 「お願いっ、目を覚ましてっ!!」 「ちょっと、あなた!」 看護師さんから止められて我に返る。 「す、すみません…………」 呆然としてベッドの脇の椅子に腰掛け、顔を覆って泣いた。 これから、私たちはどうなってしまうの? これから、世界はどうなってしまうの? 言いようのない不安が胸を締めつける。