-外伝(1)-
私は、先日決めた抱負に従ってバストアップ体操に励んでいる。 マッサージで血行を良くしてから体操すると効果的らしい。 お風呂上がり、脱衣場にパンツ一枚でマッサージ開始! まずは両の乳房の内側を包み込み、外側へ絞り出すようにする(約3分間)。 次に、一方の手で乳房を下から持ち上げ、他方の手で乳首をつまみ、 円を描くようにマッサージする(同じく約3分間)。 最後に乳房を全体的によくもみほぐして……… 大きくなれ〜、大きくなれ〜と一心に念じながらやっていたからだろうか、 この時、私は周囲に対する警戒を怠っていた。 突然、ガラッと音を立てて脱衣場の扉が開く。 「○★◇△#%●□!!?」 「あら、ごめんなさい」 「ア、アスカ、あの、その……、こ、これはね、ち、ちがうの……」 両手で乳房を鷲づかみにしながら狼狽の極致に達する私。 「"Zu massieren ist unbrauchbar, für das."(マッサージしても無駄よ)」 憐れむような目で私を見ながらドイツ語でなにか呟くアスカ。 「どうぞ、ごゆっくり〜」 アスカはそう言って去っていった。 「だ、だから、ちがうんだってば………」 ――ああ、恥ずかしくて死ぬかと思った。 今度からマッサージは浴室内でしようっと。