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2015.9.6 本部の中でシンジ君に会った。 葛城一尉と一緒にいた。 シンジ君が戻ってきて、うれしかったはずなのに、心の中は複雑。 葛城さんと話しをする彼の表情はとても楽しそう。 まだワタシには見せたことのない顔。 なにか二人の間に漂う空気の色が今までとは違って見えた。 すれ違い際、葛城一尉が、 「今日の訓練、頑張ってね。……あっ、私たち、これからこの前の使徒を見に行くんだけど、 あなたも行く?」 ワタシは彼女の横に視線を移すと、シンジ君は自分の足先を見るようにうつむいていた。 それがなんだかイラっときて、 「行きません」 と即答していた。 そして、二人と別れて2,3歩ほど進んでから、ワタシは二人の方へ振り返った。 遠ざかっていく彼の背中。 そこへつぶやくように、 「シンジ君、」 と声をかけた。 それは口から微かにもれるような空気の流れみたいで、当然のように彼へ伝わらなかった。 ワタシはしばらく彼の背を見送ってから、 「バカ、」 とつぶやいた。 どうして、こんなことを言ったんだろう。 今日は眠れそうにもない。 けど、眠い。 Comments(0) │TrackBack(0)
2015.9.8 ワタシの理由無きイライラは未だに続いていて、ほとんどシンジ君を無視していた。 こんなことじゃ駄目だと思っている。 でも、何も言ってこないシンジ君によけいイライラして、 ワタシって、なに? こんな嫌な女の子だったの? そりゃあ、人見知りは激しいし、すぐに怒ったり泣いたりするし、 でも、やっぱりよくわかんない。 これだったらまだひとりでいたあの頃の方が、よかったような気もする ようなそうでないような、やっぱりよくわかんない。 ところで、もともとワタシの文章って女の子らしくないんだけど、PCで入力すると よけいにそうなるみたい。 ほら、変換すると勝手に漢字にしてくれるし。 だから、例えば僅かな内容の事でも難しい語彙で誤魔化してくれるみたいな。 まあ、どうでもいいよね、そんなこと。 明日はちゃんと話しをしてみよう、まる Comments(0) │TrackBack(0)
2015.9.9 今日は水泳の授業があった。 ワタシ、水は大好き。 暑い日に冷たい水の中でぷかぷかと漂うだけでも気持ちいい。 あ、LCLはちょっと嫌いかな。 なんか血の匂いがするし。 訓練だから我慢しているけど、本当はもう嫌で嫌で。 それは横に置いておくとして、ワタシが泳ぎに疲れてプールサイドにある木陰で 腰を下ろしていたら、委員長さんがぺこんと隣に座ってきた。 「前から思っていたけど、水泳とくいなのね。ちょっとびっくりしちゃった」 と、笑顔を見せながら委員長さんが話しかけてきた。 「……そうかな? 自分ではよくわかんないけど」 「だって、クロールなんてクラスで一番でしょ。男子にもかなう人はいないんじゃないかな」 ワタシはちょっと照れてしまい、うつむいてしまった。 そんな時、グランドの方から男の子たちの声がして、なにか委員長さんの名前とか、他の 女の子の名前とかが聞こえてきた。 委員長さんは一瞬で顔を真っ赤にさせて立ち上がると、鈴原君たちの方へ声を荒げ始めた。 ワタシはいうと、さっき自分の名前も聞こえたような気がして、グランドへ顔を向けた。 ホント、びっくり、大びっくりだった。 だって、シンジ君と目が合っちゃったんだもん。 ちょっと見つめ合っちゃったかも。 でも、その瞬間、なんか恥ずかしくなっちゃって、ぷいっと顔をそむけちゃった。 今思うと、手くらい振った方がよかったのかな。 また、シンジ君に勘違いさせちゃったかな。 でも、たぶん、なんとなく、シンジ君と仲直りできそうな感じがする。 Comments(0) │TrackBack(0)