-第一部-
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それは私が朝のシャワーを浴び終わって、脱衣所に戻った時だった。 ドアがバタッと開き、長い金色の髪が舞った。 「あ、ごめん。気づかなくって」 と、アスカさんは謝った。 けれど、アスカさんは出て行こうとせず、下着姿の私をまじまじと見ている。 「あ、あの。どうかした?」 「んー、あんたさ、初めて会った頃より、身体、丸くなった?」 「……っ☆○!!」 「っていうか、ちょっとは気をつけた方がいいんじゃない」 と言って、哀れみの眼差しで私を見つめた後、ここを出て行った。 わかってる。そんなことはわかっているわよ。 ヘルスメーターは怖くてずっと乗っていなかったけど、鏡の中の姿を見ればわかる。 でも、シンジが悪いの。 だって、ごはんが美味しいんだもん。 ここに来るまではコンビニ弁当ばかりだったから、シンジが私のために作ってくれる料理 だと思うと、涙が出そうになるくらいうれしくって、美味しくって、残すなんてもったいなくて。 せめて、ご飯は茶碗一杯だけにしようと決めた。決めました。 そう思って、朝ご飯は少なくしたのに、 「あれ、マナ、どこか悪いの? それとも、今日の朝食は美味しくない?」 なんてシンジが言うだもん。 だから、ご飯をお代わりしてしまった。orz この日、私は水泳部に入部した。