-第一部-
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今日は水泳部の練習がお休みで、シンジたちの訓練もなかった。 なので、みんな一緒に学校から帰ることになった。 みんなというのは私とシンジにアスカ、綾波さんとヒカリちゃんの5人。 鈴原君と相田君はゲームセンターに行くとか言って、先に帰ってしまった。 ちなみに、このメンバーが一緒になることは多い。 学校を出る時は、まあ、ちょっと注目を浴びてしまう。 やっぱり、その、アスカや綾波さんという美少女がいるし、私とヒカリちゃんも ちょっとは目立つ方だと思うから。 でも、この私たちをシンジ・ハーレムと呼ぶ人たちもいるみたい。 そりゃあ、男の子はシンジだけだけど、ホント失礼しちゃうよね。 一度、そう言われた時は文句を言ってやったけど、そういう声は消えないみたい。 なーんか落ち込んじゃうな。 それはともかく、私たち5人は途中でマクドによって、おしゃべりしてた。 シンジはちょっと会話に入れなくて、居心地が悪そうだったけど、そりゃあ、まあね。 で、今夜の夕ご飯は何にしようって話になって、 「ねえ、シンジ。今夜は餃子にしない? もち、ニンニクたっぷりの手作り餃子よ」 「……餃子。私も食べに行っていい?」 と、綾波さんがチョコレートシェイクを飲んでたストローからくちびるを離した。 シンジが驚いたような目で、 「餃子には肉が入っているけど、いいの?」 「……肉は嫌い。でも、餃子は好き。それにニンニクも入っているもの」 ニンニク臭い息をする綾波さんなんて想像したら、なんだか可笑しくなって 私は笑ってしまった。でも、前よりもずっと綾波さんが身近に感じられた。 で、やっぱり、夕ご飯を食べた後、みんなニンニクの臭いが凄くて、明日、学校で 大変だろうなあと思ったけど、また可笑しくなって、寝るまで私は笑っていた。