霧島マナの日記 鋼鉄のガールフレンド

鋼鉄のガールフレンド攻略 | 碇シンジ育成計画攻略 | サイトマップ

-第一部-
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∀月▼日

    バレンタインデーも過ぎて、今は期末試験直前。
    ソワソワしていた教室もピリピリしたものに変わっていて、それは家に
    帰ってからも同じだったような、そうでもないような。
    そんなわけで今日はみんなで集まって勉強会をすることになった。
    場所は私たちの家で、集まった人はアスカと綾波さんに、ヒカリちゃんと
    マユミちゃん。マユミちゃんとはバレンタインデーでちょっと仲良くなって、
    今回のことに誘ったら来てくれた。
    シンジは訓練でミサトさんと一緒にネルフ本部へ行っているから、今日は
    家にいるのが全員女の子で、勉強会と言うより遊んでいた時が多かったかも。
    ヒカリちゃんは委員長らしくみんなを勉強に向かわせようとしたけど、
    ちょっと無理だったみたい。
    そして、窓から陽が傾き掛けた頃、シンジとミサトさんが帰ってきて、

  「みんなに、おみやげよ〜」

    と言って、ミサトさんが石焼きイモをテーブルの上に置いた。
    それからテーブルを囲って、お茶を片手にみんなで焼き芋を食べた。

  「おイモ、甘〜い」

    と、私が言うと、

  「そうですね」

    と、隣にいるマユミちゃんがニコッとしながら相づちを打ってくれた。
    もう一方の隣にいる綾波さんは無言で食べているけど、頬が緩んでいた。
    そんな和やかな雰囲気だったのに、

    ぷぅ〜

    おならの音が聞こえた。
    そして、なぜか一斉にみんなが私の方を見るし。

  「えっ、ワタシ?」

    と、自分を指差しながら言った。
    そうしたらアスカが人差し指を私に向けて、

  「アンタ以外に誰がいるのよ。アンタねぇ、ちょっとは我慢しなさいよ」
  「だから、私じゃないって」
  「って、アンタ以外に誰がいるのよ」
  「ホント、本当に違うんだから」

    この時、私は少し涙目になっていたかもしれない。
    シンジも苦笑しながら私を見ているし。

  「本当に私じゃないよ。だって、だって、おならはいつも我慢しているもん。
   したくなったらトイレに行っているし、みんなの前でしちゃったことは一度
   しかまだないもん。……あっ、」

    両手で口を押さえた時にはもう手遅れで、みんなに大笑いされていた。
    アスカなんて涙を浮かべるくらい笑っていて、

  「わかった、わかった。アンタの自爆に免じて、信じてあげるわ」
  「……」
  「なら、次に怪しいのはシンジ。アンタね」
  「ええっ、僕?」

    と、シンジが目をまん丸にさせて驚いていた。

  「そうよ。ここで男なのはシンジだけでしょ。だから、犯人はアンタ」
  「そんなぁ〜」
  「まあ、それが一番まぁるく収まるのよ。まさかアンタ、女の子にオナラの
   罪をなすりつけようと言うの?」
  「……わかったよ」

    渋々ながらそう答えるシンジはどう見ても犯人ではなくて、

  「まあ、誰がオナラをしてもいいんじゃないの。ねぇ?」

    と、ミサトさんが助け船を出してきた。

  「一緒に住んでいるんだもの。オナラの一つや二つ誰でもするでしょ。
   ねぇ、アスカ?」

    ニヤッとヤな笑みを浮かべながら、ミサトさんはアスカを見る。
    アスカは少し腰を引きながら、

  「何よ? アタシを見て」
  「んー、別に。ただ、アスカが一番うるさいなーって。得てして、犯人はそう
   いう人なのよね。でも、いいわ。アスカもまだ女の子だもんね。そりゃあ、
   オナラなんてしたのがバレたら、恥ずかしいわよねえ」
  「なっ、アタシだって言うの?」
  「あら、違うの?」
  「違うわよ。ぜーったいに違う。そ、そうだ。ミサト、アンタでしょ?」
  「私?」
  「そうよ。アタシ、知っているんだからね。この前、ミサトがビール飲みながら
   ゲップとオナラを同時にしたのを」
  「な、してないわよ。あれはゲップよ。ゲップ」
  「嘘。あれはオナラだったわ」

  「アスカだって、こないだオナラしたじゃない。私、知ってんのよ。プスッっと
   すかしたような音も聞こえたし。少し臭ったし」
  「ミサト、なに言ってんのよ」

    二人の暴露合戦に私たちは唖然として、それを見ていられなくなったヒカリちゃんが、

  「二人ともそこまでにしておいた方が……。碇君もいるんだし」
  「ヒカリ、妙に黙っていたわよね。もしかしてヒカリじゃないの?」
  「わ、わたしなの?」

    ヒカリちゃんは顔を真っ赤にして、

  「違う。私じゃない。碇君の前でオナラなんてするわけないでしょ」
  「ホントかしら?」
  「本当よ。そういうアスカがやっぱりしたんじゃないの?」
  「だから、アタシじゃなーい」
  「怪しいわね。アスカ」

    それからはヒカリちゃんも入って、3人で言い合いが続いていた。
    私はただ呆然とその様子を眺めることしかできなくて、隣にいる綾波さんは
    焼き芋を食べ終えてお茶を飲み干すと、

  「私、帰る」
  「綾波、帰るの?」

    と、シンジが声を掛けてきた。

  「ええ、もう勉強も終わったようだし」
  「じゃあさ。ウチでご飯を食べていかない? 帰りは送るからさ」

    シンジに他意はないんだろうけど、やっぱり私はヤキモチをしてしまうわけで、

  「シンジ〜」

    と、シンジのシャツの裾を引っ張りながら声を掛けたけど、シンジは私に
    ニコッと笑みを向けてきて、それだけでもう何も言えなくなった。

  「ふー、綾波さん。一緒に夕ご飯、食べましょ?」

    綾波さんは少し考えるように小首を傾げてから、

  「わかったわ」

    と言った。
    私は隣のマユミちゃんへ振り向いて、

  「ねえ、マユミちゃんも一緒に食べてかない?」
  「私もですか?」
  「うん。だめぇ? それとも家で家族の人が待ってる?」
  「……父は仕事で帰りが遅いですから」
  「じゃあ、決まりだ。いいよね? シンジ」

    私がそう訊くと、シンジは笑みを浮かべながらコクッと肯いた。

  「それじゃあ、みんなで夕ご飯のお買い物に行こうっ」

    未だにケンカし合っている3人を置いて、私たち4人は家を出た。
    スーパーへ続く道路は夕陽の赤で染まっていて、とてもきれいだった。
    私はシンジと手を繋いで歩きたかったけど、綾波さんとマユミちゃんの前で
    そんなことができるはずもなく、

  「夕陽がきれいだね」

    と声を掛けるのが精一杯だった。

    と、その時、

    ぷぷっ、

    と、オナラの音が小さく聞こえた。
    一瞬、ビクッとする私たち。
    何となく嫌〜な雰囲気が流れ始めた時、

  「あはは、ごめん。僕なんだ」

    と、シンジがぺこっと頭を下げて言った。
    でも、私は知っている。隣にいるシンジから音はしなかったことを。
    そうすると、逆の方にいる綾波さんかマユミちゃん?
    だかど、二人とも何も無かったような顔をしている。
    う〜ん。ここはどうしよう?
    私はシンジへ振り返ると、

  「シンジ、」
  「……?」
  「私の前で我慢しなくてもいいからね」
  「えっ、」
  「人間だもん。オナラの一つや二つはするよ。ねっ」
  「……うん。マナも我慢しないでいいよ」
  「わ、私は我慢するもん。シンジの前でなんて死ぬほど恥ずかしいもん」
  「何それ?」
  「それが女の子なの」

    クスッとマユミちゃんの笑い声が聞こえて、綾波さんも目元が緩んでた。
    もう犯人が誰かなんてどうでもよくなって、私たちは足取り軽く歩いていた。

当時の主なレス

145 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2006/02/19(日) 22:57:44 ID:???
  きたー まってたよ

146 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2006/02/20(月) 02:29:51 ID:???
  ほのぼの(*´∀`*)

147 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2006/02/20(月) 12:57:34 ID:???
  実は犯人はペンペン。