-第三部-
6/13
シンジとアスカがなにやら言い合っている。 「ね、決まり。ちゃんとお父さんにミサトんちに泊まるって言っておきなさいよ」 「もう、勝手に決めないでよ」 「せっかく呼んでやってるんだから、黙って来りゃいいのよ」 「なんだよ、それ……。なんでだよぅ」 「だから、久しぶりにあんたの手料理が食べたくなったって言ってるでしょ。 ペンペンもあんたに会いたがってるわよ」 なるほど。シンジに泊まりに来いって言ってるのね。アスカ、ナイス! と心の中で叫ぶ。 それにしても、ペンペンまでダシにつかうとは。 「いいわね。明日は夕食を作りにくること。以上、決まり」 「しょうがないなぁ」 いつものように、シンジが折れる。ちょっと頼りない………。 でも、やっぱりシンジが来てくれると思うとうれしい。思わずニヤついていると、 "Der Wülfel ist gefallen." アスカがドイツ語でなにやら呟くのが聞こえた。