-第三部-
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「マナちゃん、アスカ。おつかれさま」 「マナちゃん、びっくりしたでしょう。あのね、今、旧ネルフの発令所からなんだけどね」 へ? ネルフってなくなったんじゃなかったっけ? 指定された駐機スペースへと飛行しながら聞かされた話はおよそ次の通り。 政府の要請でジオフロントに結集した旧ネルフスタッフが弐号機を一旦回収し、 アスカが搭乗して電源を再接続、出撃したのだった。 エヴァを失った反乱軍は包囲され、全員投降。意外に少人数だった模様。 とにかく、任務は無事果たせた……ということかな? 肩の荷が降りて安心すると、私の困った体質が戻ってきた。そう、乗り物酔い! 「うっぷ…………」 「大丈夫? マナちゃん」 「気持ち悪いです。吐きそう…………」 「あちゃー。でも、もう任務完了したし、別にゲロっちゃってOKよ? どばぁーっていっちゃいなさい、どばぁーって」 無責任なことを言うミサトさん。 駐機スペースに到着し、なんとか機体を停止させると、駆け寄ってくる人影が見える。 シンジだ! シンジは外からハッチを開け、グロッキーになった私を抱き上げ、機体からおろしてくれた。 これが、お姫様抱っこというやつね! 天にも舞昇るような気持ち……。 「よくやったね、やっぱりマナは凄いや」 シンジがそう言うのを聞いたアスカはなにか言いたそうだったが、ぐっと飲み込んだようだ。 「見事な射撃だったわ。エヴァのコア、一発でバラバラになっちゃったもんね」 ミサトさんも褒めてくれた。
「初号機のコアには母さんの魂が入ってたんですよね……」 ふとシンジがそう呟くと、ミサトさんがしまったという顔になる。 「そうだったわね。ごめんなさい、無神経なこと言って」 「いいんです。気にしないでください」 「ねぇ、どういうことコアに魂って?」 気になって尋ねる。 「エヴァにはね、人の魂が埋め込まれてるんだって。 それでエヴァは動けるんだってさ。で、初号機の魂は僕の母さんのものだった」 「それじゃ、私はあなたのお母さんの魂を破壊してしまったの?」 わたし、なんてことを…………。 身体が震える。 「そうかもしれない。でも、いいんだ。母さんは、僕の心の中にいる。 僕には初号機のコアなんかよりマナの方がずっと大事だ」 シンジ…………。 このとき、自分がどんなにこの人が好きか、はっきりと分かった。 私、やっぱりシンジが好き。もう迷わない。 私は、私を見つめるシンジを、晴れ晴れとした顔で見つめ返した。 第三部 完
311 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2006/08/13(土) 14:46:55 ID:??? 乙 できれば後日談キボン 317 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2006/08/13(日) 18:16:07 ID:1vPSuRVU 全読した。はてしなく乙 318 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2006/08/13(日) 23:29:28 ID:??? >>313 そこまで考えていたんなら、一つ突っ込ませて貰うよ。 バルディエル戦以後、初号機(ユイ)はダミーを受け付けなくなっているはずだが、 その辺はどう考えているんだろう? 初号機はリリスベースのハズだから、"カヲル(アダム)のダミー"では、なおさら 受け付けないと思うのだが? 326 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:2006/08/17(木) 02:02:54 ID:??? >>313 いまさらなんですけど、突っ込み。 >戦自がネルフと協力 ネルフ×陸海空自衛隊=UN第2方面軍 だった気が。戦自はどっちか、つーかかなり、敵かと。