-第四部-
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先日の温泉旅行って、そもそも誰が企画したんだろう。 それに、MAGENの同僚であるシンジのお父さんとリツコさんは分かるけど、 ミサトさんや私たちまで一緒に誘われるのもどうも解せない。 あ、そっか。ミサトさんってシンジのお父さんの元愛人(※)なんだっけ。 っていうか、もしまだ二人が繋がってるとすると、 ミサトさんが私のお義母さんになるのかな? うーん、私としては不満はないけど、ミサトさん、初婚で後妻に入るってのはどうかなぁ。 あれこれ考えていると、ちょっと知恵熱が出てきた。 ふとアスカの方を見ると、彼女もなにか考え中のようだ。 「アスカ、どうしたの? なにか考え事?」 「うん、ちょっとね」 「話してみて。相談に乗るよ」 「えっとさ、マナって戦略自衛隊にいたのよね?」 「う、うん……そうだけど」 「実は、あたし、戦自にさそわれてるんだ」 「……アスカが?」 戦自に強い不信感を持つ私は、直感的にやめた方がいいと思った。 「……戦自で何をするの?」 「筑波の研究所でね、弐号機のテストパイロット」 「そっか……。で、どうするの?」 「乗りたい気持ちはあるわ。でもまだ迷ってる」 アスカがエヴァのパイロットであることをすごく誇りに思ってたことはよく知っているけど……、 対使徒戦ではなく軍事用にエヴァが使われることを考えると、素直に賛成できない。 結局、私は何一つアドバイスできなかった。 ※マナの勘違い(第一部参照)