-第四部-
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私の耳にも次々と戦況が伝わってくる。 核弾頭を搭載した米・中のミサイルが日本各地に多数飛来し、甚大な被害を受けたらしい。 「エヴァを悪用し暴走する戦自から、日本国民を守る」という、 米・中の主張に完全に矛盾する無差別殺戮に怒りがこみ上げる。 もっとも、名分に欠けるのは戦自も同じ。 そもそも、エヴァ保有に固執したことが戦争の原因なんだから。 戦自も報復として、米・中の各都市に向けてミサイルを発射したそうだ。 一体、何千万、いや何億の人命が失われたのだろう。 背筋が冷たくなる。 そして、一つの悪魔的な考えが脳裏に浮かんだ。 誰かが、アスカを殺してしまえば、この悲劇は終わるのではないか、と。 私は、自己嫌悪の余り吐き気を催した。 午後。 今日も、アスカと私は艦橋に呼び出された。 「惣流君。今までとは状況が変わった。 先刻帰投した偵察機が、敵のエヴァンゲリオンを撮影したのだ」 「敵の? 弐号機のほかにも残っているエヴァがあるんですか?」 「これがその写真だ。偵察衛星からの映像も敵エヴァンゲリオンの存在を裏付けている」 「エヴァシリーズ!」 写真を見たアスカは言った。 「なるほど、面白くなってきたわ。相手にとって不足はない、ってわけね。 分かりました、提督。命令があり次第、出撃します」 「おお、やってくれるか。頼んだぞ、惣流君」 老将は威厳を保ちつつそう言った。が、その目には明らかに安堵の色が浮かんでいた。