霧島マナの日記 鋼鉄のガールフレンド

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○月23日

     今日も今日とて訓練の日々。
     以前はシンジと一緒に戦えたら絆が強まって、いつかは……みたいなことを考えて頑張って
    いたけど、今はもうあんまり気分が乗らなくなってしまった。
     零号機の連動試験や実際の運用試験もして、だいぶエヴァを動かせるようになったけど、
    「マナ、ちゃんとまじめにやりなさい」
     と葛城一尉の叱咤が飛ぶことも多い。
     早く帰って夕ご飯を食べたい。
     そんなことを思っていた時だった。
    『テスト中断。総員第一種警戒態勢』
     と言う碇司令の号令が駆けめぐった。
     ええっ! 使徒!?
    『零号機はそのまま発信準備』
     とのオペレーターさんの声。
     ええっ! 司令からの直接指示?
     そんな、私、実戦に出るの?
     私は半ばパニック状態になりながら、地上へ射出されてしまった。
     使徒と接触するまであと20分ほど。
     しばらくして、シンジの乗る初号機が地上に現れて、
    『マナ、その、えーと、……が、頑張ろう』
     と、シンジからの通信が入った。
     声が震えている。
     怖いのは私だけじゃないんだ。
     私は震える手をギュッと握りしめて、
    「うん、がんばろう」
     と、シンジに声を返した。
     そして、使徒との戦いが始まった。
     イカのお化けみたいな姿をした使徒にパレットガンを撃つけど、全くダメージは無し。
     おまけに使徒の鞭みたいな攻撃はむちゃくちゃ早いし。
     初号機と二体で攻撃しても、使徒の方が全然つよい。
     あっ、鞭が4本に増えた。

     その鞭の動きが速すぎて、目で追いつけない。
     もうダメ。
     なんか鞭で縛られちゃって、動けない。
     全身が痛く、苦しい。
     私、このまま負けちゃうのかな。
     ふと、そんな思いが脳裏を巡った。
     そして、それでもいいや、とも思ってしまった。
     私が負ければサードインパクトが起きてしまうかもしれない。
     そうなれば、もしかして、今度は前のところに行けるかもしれない。
     シンジに、ムサシやケイタに、みんなにまた会えるかもしれない。
     そう考えた瞬間、私は操縦桿から両手を離し、一直線に向かってくる使徒の攻撃から目を瞑った。

    ”さよなら”

     そう心の中で呟いて、私は終わりを待った。
     でも、いつまで待っても、何の変化もなかった。
     私が再びまぶたを開けた時、目の前には初号機がいて、零号機を攻撃から防いでいた。
     それこそ初号機の機体全部を使って、使徒の鞭から私を守っている。
    『マナ、……まだだ』
     と、シンジ苦しそうな声が通信機から聞こえた。
    『まだ僕らは負けちゃいない。だから、諦めないで』
    「……シンジ、」
    『僕が、僕が攻撃を防ぐから、マナが使徒を倒して』
     そう言うと、シンジの初号機は使徒の鞭4本を全身で受けた瞬間、それを全て両手で抱え込んだ。
     シンジの悲鳴に近い声が上がる。
    『は、早く……』
    「う、うん。わかった」
     私は立ち上がると、肩からプログナイフを取りだし右手に持った。
     そして、全速力で使徒に向かっていき、そのコアへナイフを突き刺したのだった。

     30秒後、使徒は活動を停止し、沈黙した。
     その後、ネルフ本部に戻り、ケイジのところでまだ全身に苦痛が残っているような表情の
    シンジに会った。
     一瞬、私は躊躇ってしまったが、シンジのところへ駆け寄り、
    「シンジ君、あの、……助けてくれて、ありがとう」
     すると、シンジは痛いのを我慢して笑みを作り、
    「使徒を倒せてよかった。マナのおかげだよ」
    「……シンジ君、」
     シンジの言葉に嬉しくて、負けてもいいと思った自分が情けなくて、私は涙を零れさせてしまった。
    「あ、ありがとう」
     もう少し、もう少しこの世界でがんばってみよう。
     そう私は心に誓ったんだけど、
    「マナ、あんた何考えて戦ってんの!?」
     と、葛城一尉が怒鳴りこんできた。
    「あんたねぇ、戦闘中に目標から目をそらすなんて何なのよ? これは遊びじゃないのよ。
    チルドレンとして自覚があるの? そんな半端な気持ちじゃこっちが困るのよ」
    「……」
    「ミサトさん、使徒は倒したんだからいいじゃないですか」
    「シンジ君は黙ってて。マナ、あなた、チルドレンとしてヤル気あんの?」
    「……微妙です」
     と、私は正直に言ったら、バシッと葛城一尉に頬をぶたれてしまった。
    「あんた、自分の任務をなんだと思って、……もういいわ。帰りなさい」
     と言って、葛城さんは歩き去っていった。
     なんか、ちょっとは頑張ってみようと思ったのに、もうヤル気ゼロ。
     もうチルドレンなんか辞めてやる。
     私はそう心の中で考えていた。

    ○月23日
    〜中略
     第4使徒は私とサードチルドレンの活躍により、何の問題もなく撃退。
    以上