-plot239-
放課後の教室。私たちはちょっとしたおしゃべりをしていた。 「私、転校が多かったから友達がなかなかなできなくて」 と、少し寂しそうにマユミちゃんが言った。 「いつの間にか本が友達のようになって、こんなのよくないと思ってはいるんですけど……」 「でも、本を読むのはおもしろいよね」 と、シンジ君はフォローするように言った。 「僕も最近はよく本を読むんだ」 「どのようなのを読むんですか?」 「SFとか推理物が多いんだけど、今は星新一が好きかな」 と照れるようにシンジ君は言った。 「星新一は私も好きですよ」 とマユミちゃんは言った。 私はそこで口を挟んで、 「マユミちゃんはどんなのが好きなの?」 「私は、そうですね、主に小説が好きです。古典が好きですけど、恋愛物も大好きですよ」 「あー、私も恋愛小説は大好きだよ」 「マナさんは例えばどのような作品が好きなんですか?」 とマユミちゃんが訊いてきた。 「最近、よく読むのはケータイ小説かな。恋空なんか号泣しちゃったよ」 と私が言った瞬間、マユミちゃんとシンジ君は私から目をそらす。 えー、なんか私、変なこと言った? と、そんな時、アスカさんが来て、 「シンジ、本部に行くわよ」 と言って、シンジ君の手を引っ張った。 そんなわけで私たちは帰ることになったけど、なんだかアスカさんが……、よくわかんない。 □月5日 〜中略〜 特に無しだよ。