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今日は土曜日。 ヒカリちゃんとレイちゃんと服を買いに街へ出かけた。 アスカさんも誘おうと思ったんだけど、部屋にいなくてちょっと残念。 そんなわけで私たち3人は買い物をしていたんだけど、レイちゃんはつきあうだけで 何も買わなかった。それに休日なのに制服を着ているし。 どうして何も買わないの?とレイちゃんに訊いてみたら、 「ファッションには興味ないから」 と答えた。 ちなみに家ではどうしているのと訊いたら、 「ジャージ」 とレイちゃんは即答した。 うーん、でも、今日の買い物には付き合ってくれたし 、レイちゃんはちょっと不思議。 で、買い物も一段落した昼下がり。私たちはお茶しようということになって、タリーズに入った。 マクドよりはちょこっと高いけど、コーヒーは美味しいような気がする。 でも、それはあくまでも私の感想で、レイちゃんはマックのコーヒーの方が好きみたい。 ともかく、私たちは思い思いに注文して、席に着いたんだけど、 「「あっ!!」」 と、びっくりした声を出してしまった。 なんと、そこにはアスカさんとシンジ君がいて、お茶をしていたのだ。 「ど、どうしてアスカさんとシンジ君が?」 「な、なんでアンタたちがいんのよ?」 「私たちはショッピングだけど」 「アタシもよ」 「碇君とふたり。デートね」 と、レイちゃんが冷静な声で言う。 「ちゅ、中学生なのにデートだなんて不潔よ!」 と、ヒカリちゃんは錯乱気味に叫んだ。 「ち、違うわよ! デートなんかじゃないわよ。そうよね、シンジ?」 「そうなの?」 と、私は訊いた。 「うん。アスカに荷物持ちに付き合えって言われて。昼ご飯とかおごるって言われたから、 暇だったし、いいかなって」
「ふーん、へー、そうなんだ」 と私が疑問の眼差しで言うと、アスカさんはあせったように、 「そ、そうよ。それだけなんだから」 「まあ、いいけど。それより相席してもいい?」 「……いいわよ」 と、アスカさんは弱々しく言った。 それから、私たちは少し涙目のアスカさんをからかいながらコーヒーを飲んでいた。 と、そんな時、ヒカリちゃんが、 「ねえ、デートって、どうすればいいのかな?」 と小声で訊いてきた。 「ヒカリちゃん、デートするの?」 「えっ、そ、そんなわけじゃないけど……、マナはデートしたことある?」 「私? あまり私は参考にならないかな」 「どうして?」 「うーん、昔の話なんだけど、初デートは芦ノ湖で遊覧船に乗ったんだ。そこまではいいんだ けど、その時の私は何を血迷ったのか混浴の温泉に行っちゃったのよね。あはは……」 と言った瞬間、凍り付いた場の空気。 ヒカリちゃんがおそるおそる、 「初デートで混浴?」 「……うん、」 「アンタ、バカぁ?、そんなの軽く見られるだけじゃない」 「で、でもぉ、」 「シンジはどう思う?」 とアスカさんにふられて、シンジ君は恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、 「僕は、デートの経験なんてないから、よくわかんないよ」 と言うが、その瞬間、今アスカさんとデートしているじゃんと心の中でつっこむ私たち。 それはそれとして流したアスカさんが、 「それでぇ、ヒカリは鈴原とデートすることになったわけ?」 「ち、違うわよ!!」 と大声で叫ぶヒカリちゃん。 当然、店内の注目を浴びて、ヒカリちゃんは恥ずかしそうに頬を赤くして、 「ただ、訊いてみただけ」
と言った。 「あのねぇ、ヒカリ。いい加減、自分の気持ちを鈴原に伝えなさいよ」 「どうしてアスカがそんなこと知っているのよ?」 「だって、そんなのバレバレじゃない」 と言って、アスカさんは私たちへ同意を求めた。 それに対して、私とレイちゃんはウンとうなずき、シンジ君は、 「えっ、そうだったの?」 と、びっくりしていた。 「あんた、本当に鈍いわね。そんなの見てりゃわかるでしょ」 「ア、アスカ。そんなに大声で言わないでよ」 「でも、今は使徒が来ている危険な時代なのよ。自分の気持ちを打ち明けないで、どうすんのよ?」 「だけど、私は今のままでじゅうぶんだもん」 「そんなの駄目。明日には何が起こるかわかんないのよ。シンジ、」 「何?」 「アンタ、鈴原と仲いいんでしょ。今すぐ、ここに呼びなさい」 「な、ア、アスカ!」 「ダメ、今すぐ告白するのよ」 なんか、そんなわけで突っ走ってしまったアスカさんによって告白することとなったヒカリちゃん。 やがて30分後、鈴原君が店内に入ってきた。 「なんや、シンジ? ワイに用事って?。って、なんで委員長や惣流たちがおるんや」 「まあ、いいから、ここに座んなさい」 と言って、鈴原君をヒカリちゃんの向かい側に座らせた。 「ヒカリがアンタに言いたいことがあんのよ」 「……」 ヒカリちゃんはうつむいたままで、鈴原君は不思議そうな顔をしていたが、 「あっ、わかった。このイベントが来たんか!」 とわけのわからないことを言った。
「駄目やで、委員長。ワイに惚れたらアカン」 と、鈴原君は立ち上がって言った。 「ワイはもうすぐ死ぬ人間なんや。そんな男に惚れたらアカン。委員長はもっと幸せにやな」 と言った瞬間、ヒカリちゃんも立ち上がって、 「な、なんで私が鈴原なんか好きになんなくちゃんなんないのよ!!」 と叫んだ。 「バッカじゃない。私が鈴原を好きになるなんて10万年経ってもない」 「へっ?」 「鈴原の成績があんまりにも悪いから、みんなで注意しようってだけなのっ!」 と叫ぶと、ヒカリちゃんは走って店を出て行った。 残された私たちはただただ茫然としているだけで、鈴原君はシンジ君に、 「ワイ、なんか拙いこと言ったか?」 「うん、かなりね。でも、なんとかなると思うよ」 私はそんな二人を見ながら、ヒカリちゃんってツンデレ?と思っていた。 □月8日 〜中略〜 特に何もなく、順調です。