霧島マナの日記 鋼鉄のガールフレンド

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-外伝(2)-

番外編:ある昼下がり

  「あーあ、タイクツぅ」
    コンフォート17のリビングで、アスカは無聊を託っていた。
  「また、ゲーセンにでも(>>410)行く?」
    そう水を向けたのは霧島マナ。
    元々戦自の諜報員としてネルフに送り込まれたものの、生来のおっちょこちょいで
    すぐにクビになってしまい、今は葛城宅に居候しているドジ・スパイ少女である。
  「そうね……」
    アスカが同意しかけたそのとき、

  「ただいまー♪」
    玄関の方でミサトの元気な声がしたかと思うと、
    途中で出会ったというリツコと加持までがゾロゾロと一緒に上がってきた。

  「加持さん!」
    アスカが嬉しそうに加持の腕にしがみつく。
  「おやおや、凄い歓迎ぶりだな」
    加持は、相変わらず無精髭だらけの頬を撫でながら苦笑した。

    ―――10分後。
    大人3人が、酒の肴を探して葛城家のキッチンを物色し始めた。

  「この赤飯は何かのお祝いかい?」
    粗雑に並べられた酒類に混じってレンジで温めるパック入り赤飯(>>561)
    を発見した加持が尋ねる。
  「ああ、それはね、マナちゃんが………」
    ミサトはマナをちらりと見やって語尾を濁した。

  「"Mana massiert ihre Brüste jeden Tag, um sie zu vergrößern..."
   (マナってば、胸を大きくするために毎日マッサージしてる(>>526)のよ)」
    リビングから入ってきたアスカが口を挟む。
  「"H'Hallo, Asuka. Es ziemt sich nicht ins Gesich."
   (ちょ、ちょっと、アスカ。可哀想でしょ、本人の前で)」
   ミサトが咳き込みながら言う。
  「"Das ist warum ich auf Deutsch spreche."
   (だから、ドイツ語で言ってあげてるでしょ)」

  「"Es ist unbrauchbar Brüste zu massieren,
    freilich das ist für Zirkulation gut.
    Allerdings du sollst nicht das Cooper's Ligament wachsen."
   (マッサージ自体には胸を大きくする効果はないわ。
    バストアップ体操の前に血行を良くする意味はあるけどね。
    ただ、クーパー靱帯を伸ばしてしまわないように気をつけないと……)」
    物知りのリツコが例によって蘊蓄を披露する。
  「"Du nimmst mich die Butter von Brot."
   (なんだ。アタシもやってみようかと思ったのに)」
   それを聞いて独り言のように呟くアスカ。

  「"Ach, Frauen sind beschäftigt.
    Ich interessiere nicht mich für Bustegröße."
   (やれやれ、女は大変だな。俺は乳房の大小になんぞこだわらんがね)」
  「"Wirklich?  Kaji-san."(本当? 加持さん )」


  「……ば、ばうむくーへん!」

    突然、素っ頓狂な黄色い声でアスカ達の会話が遮られた。
    涙目になりながら、ドイツの名物菓子の話題を持ち出して
    会話に加わろうとするマナであった………。

    4人は暫しの沈黙の後、
  「大丈夫っ、マナちゃん。これから、これからよ」
  「それに、大抵の男はそんなこと気にしないものだよ。
   いや、むしろ、それがいいという男もいる」
    口々にそう言って慰めた。

  「ぐすん。どうせ私は………」
    ドイツ語は全然分からないマナだが、
    4人の憐れむような視線で会話の内容の大凡を悟ったのだった。

  「そうよ、型崩れする心配がなくて得じゃない」
    アスカがマナの肩を叩きながら言う。

    マナはもう少しマシな励まし方はないのか、と思いながら涙を拭った。。

written by Adrienne ◆HI8ebVe8lo

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