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一飜役：立直

今回は立直（リーチ）の話ね。前回、「何か役がないとあがれない」って言ったけど、より厳密には最低一飜はないとあがれない、ってことなの。昔は違ったらしいんだけど現在の麻雀は殆ど例外なくこの「一飜縛り」だから、何か役がないとあがれないわけ。ただし唯一の例外が今から説明する「リーチ」なの。リーチすると元々の手の役に加えて一飜増えるのね。だから、役無し手でもリーチすると一飜になってあがれるってわけ。

そのリーチってよく聞くけど、中国語なの？　それとも、英語のリーチなの？

諸説あるけど、麻雀の起源は中国だからやっぱり中国語じゃないかしら。それがたまたま英語の reach と似た発音だったということだと思うわ。でも、英語を話すマージャンプレーヤーが reach と認識してることは確かね。今の日本の麻雀のルールは戦後進駐軍が伝えたものが多いから、英語と考えても良いのかも知れないわね。そもそも今を去ること数百年前、欧米列強が中国各地に租界を設けて以来……

セカンドの蘊蓄、長い。

あんですってぇ〜

アスカさん、おさえて、おさえて。

ふぅ。じゃ、リーチの話ね。門前（メンゼン）でテンパイすると、リーチを宣言できるの。門前とはなにかと言うと結構長い話になるので、別の頁で説明してるからそっちを見てね。
リーチするには、捨て牌を横向きにして「リーチ」と言いながら場に千点棒を出す。

←こんな感じ。

最初に言った通り、リーチすると一飜増えるの。それに、もし和了した場合、裏ドラをめくる権利も得るわ。

裏ドラ？

そう。局の開始で、ドラの話をしたわよね。


ドラ表示牌の下の段の牌をめくって、これもドラ表示牌にするわけ。運が良ければドラが増える、ってこと。
もう一つ。これも運次第なんだけど、リーチしてから一巡以内にあがったら「一発」と言って、さらに一飜つくわ。一応覚えといてね。

それはすごいね。じゃ、是が非でもリーチしなくちゃ♪

それがそうでもないのよ。リーチってのは一飜なわけでしょ。今、手元の役が六飜だとすると、たった一飜増やすためにリーチを宣言して他の人を警戒させるのは損かも知れないでしょ。

そうね。

そして、これが一番大きなデメリットだけど、いったんリーチしたら手牌を入れ替えることは一切できなくなるわ。あがるまでひたすらツモっては切るだけ。

それは、テンパイしてるんだから別に入れ替えなくてもいいんじゃない？

考えてもみて。ツモった牌が他の誰かのあがり牌であることが明らかでも、みすみすその牌を切らなきゃいけないのよ。困るでしょ？

あ、そっか……。

ただ、リーチをかけて他の人にプレッシャーを与えることで、手牌を崩してでも安牌を切らせることができれば、自分が振り込む心配もそれだけ減るわけで、一概に悪いとは言えないの。ま、あんたたちにはまだそこまでの駆け引きは無理ね。とりあえず、「リーチはお得だけど、手を替えられなくなるから怖い」と覚えておきなさい。

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